有名な作家の物語にも蛭(ひる)は登場しています
ヤマビルとはどのようないきものなのでしょうか <文学とヒル>
「ヤマビルの基本情報」「ヤマビルQ & A」「いろいろなヒル」「文学に登場するヒル」「吸血方法」についてご紹介。
下のボタンをクリックしてください。
泉鏡花の『高野聖』には声をあげたくなるようなおぞましき蛭がでてきます・・・・
「飛騨の峠で道を間違えた薬売りを助けようと高野の僧が山道を入る。見通しは悪くないが炎天下に辟易しながら歩を進めると大嫌いな蛇が横切り足が竦む。そのうち大きさが尋常でない蛇がまるで橋を渡しているかのように前をいくものだからこれは山の霊であろうと決めて「まことに済みませんがお通しくださいまし・・・」と土下座までする始末。蛇は見えなくなり涼しい風が吹く。見れば目の前に大森林が。木の種類は杉、松、榎など。土の色が黒く見えるほど影っている森。涼しくて過ごしやすくとも僧の気分は暗くなる一方。そうして進むうちに頭上から笠にボタリと何かが落ちてくる。木の実であると思ったが頭を降っても落ちてこない。何気なく手で払おうとすると冷たい何かが手に触れる。見れば海鼠(なまこ)のように目も口もない不気味な生き物が指の先にぶらさがった。指の先から血がたらたらと流れ出る。びっくりして目の下へ指をつけてじっとみれば山海鼠(やまなまこ)のようなもの。生き血を吸い込むのでぶくぶくと肥っていく。濁った黒い滑らかな肌に茶褐色の縞をもった疣胡瓜(いぼきゅうり)のような動物。これは山蛭だ。・・・」
芥川龍之介の『雛』というお話
母親の唇にできた腫れ物を治すため、煎薬の他に蛭を使っている場面があります。患部に蛭を吸い付かせ血を吸わせるのです。一日15銭ずつ蛭を買いに行っていたとありました。かなり昔のことになりますが、チスイビルを肩に吸いつかせ肩こり治療をしていたことがあります。
人の世や 山は山とて 蛭が降る (小林一茶)
ヒルは忌み嫌われたり、薬になったりしながらも人と関わっていたようですね。
お問い合わせ
ヤマビル研究会 (代表:谷 重和)
電話番号: 後日掲載いたします。
問合せはメールでお願いいたします。
yamabiru.mail@titan.ocn.ne.jp
https://yamabiru.sakura.ne.jp/index.html