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いきものヒストリー第2話:地球規模での取組みが必要な9項目

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地球規模での取組みが必要な9項目

国際的な取組みが必要とされている地球規模の環境問題に以下の9項目があげられます。

(1)地球温暖化 (2)成層圏オゾン層の破壊 (3)酸性雨 (4)砂漠化 (5)熱帯雨林の現象 (6)海洋汚染 (7)野生生物種の減少 (8)有害廃棄物の越境移動 (9)開発途上国の人口増加

これらのうち、地球温暖化の問題について触れてみたいと思います。

地球温暖化を知るキーワード:温室効果ガス

温室効果ガス(Greenhouse gas:GHG)
水蒸気、二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、フロン類など、地表から放射された熱(赤外線)の一部を吸収することで温室効果をもたらす気体のこと。

温室効果ガス


温室効果ガスがなかったら?
熱がすべて逃げてしまい、地球の温度はマイナス18℃になってしまいます。

温室効果ガスのおかげで、太陽から届く熱(赤外線)が地表面で吸収され、あたたまった地表面から熱(赤外線)が放射され、温室効果ガスがこの熱を吸収し、その一部を再び地球の表面に放射する仕組みにより生物の生存に適した気温(15℃)に保たれています。

しかし、近年の産業の発達や森林の開拓などで、温室効果ガスの濃度が増加し、地球規模での気温上昇(温暖化)が進行しています。

温室効果ガス

温室効果ガスの増加

地球の大気には対流圏というところに二酸化炭素、水蒸気、メタン、フロン類などの温室効果ガスは含まれています。これらが大量に排出され、地球全体の気温があがることです。「温暖」「温室効果」という言葉だけだと、それほど悪いことのようには思えませんが、ここ100年ほどの間に、石炭や石油などの化石燃料の大量消費や森林の伐採などにより多量の二酸化炭素などの温室効果ガスが大気中に排出された結果、現在の大気中の炭酸ガス濃度は産業革命前の280ppmの約1.3倍の360ppmを超えて増加し、2007年には381ppmを記録しました。

この温室効果ガスの増加は、全地球の気候システムのエネルギーバランスを崩し、気温の上昇を引きおこし、洪水、台風、集中豪雨が多発し、最高気温は各地で記録を伸ばし、熱波での被害が拡大など、世界中で異常気象が見られるようになりました。

世界の平均気温、炭素排出量

日本での影響は?

日本での影響

日本でも、身近ないきものに影響が出ています。

岐阜県、富山県のシンボルとしても知られているライチョウは大きさ37センチ前後の太めのニワトリ型の鳥で、高山帯のハイマツや岩の周辺に生息し、夏は茶褐色~黒褐色(岩肌に似る)、冬は白色(雪景色にまぎれる)で羽色が大きく変化します。猛きん類と同じようなしっかりした足をもち、岩の多い場所や風の強い場所でも歩くことができます。

ライチョウの写真

(夏の親子と冬のライチョウ)

このライチョウは、今から2~3万年前の氷河期に取り残されてしまい、日本では標高2400メートル以上の中部山岳地域の高山帯にかろうじて生き残っていました。現在、特別天然記念物として保護されています。

ところが、最近の温暖化の影響でハイマツ帯が減少し、ライチョウの生息環境が少なくなりました。ハイマツで雨露をしのぎヒナを育て移動するライチョウにとっては一大事です。全国でその生息数はおよそ3000羽。富山県の立山周辺では平成15年には225羽にまで減少し、ごく近い将来、絶滅する可能性がもっとも高い動物のひとつといわれています。さらに温暖化が進むと、ライチョウはもうこれ以上、高い山に移動することができずに滅びるかもしれないのです。

ライチョウの絵

温暖化の影響で増えているいきものはいるの?

ナガサキアゲハというチョウは、1940年頃には九州と山口県、四国の愛媛県などより南にしか見られませんでした。しかし、温暖化の影響で1995年には近畿地方でも見られるようになり、2002年では東京、2006年には千葉でも見かけるようになり、生息域を北へ北へと拡大しています。

ナガサキアゲハ

生息域が広がってもいいんじゃないの?

いいえ、招かざる客がやってくる可能性も大いにあるのです。

近づいてくる


 

地球

第1話 地球の絶妙な位置
第2話 地球規模の9項目-温暖化ってどういうこと?
第3話 温暖化と蚊-生息域の拡大で起こること-
第4話 生物の絶滅-かつてないほどのスピードで消えていくー
第5話 クニマス-奇跡の魚と呼ばれて-
第6話 日本列島は生き物の宝庫です-固有種がたくさん生息しています-

 

お問い合わせ

ヤマビル研究会 (代表:谷 重和)
電話番号: 後日掲載いたします。 問合せはメールでお願いいたします。
yamabiru.mail@titan.ocn.ne.jp
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