カミツキガメの噛む力は強く、特定(危険)動物に指定されています。
指名手配ファイル3番 カミツキガメ
カミツキガメの概要
英名:Snapping turtle 学名:Chelydra serpentine 分類:カメ目 カミツキガメ科
特徴は北米から南米にいたる熱帯・亜熱帯に生息する背甲長50cm程度の大型の水生ガメで、成長が早く、ペットショップで購入したときは、手のひらに乗る大きさであったのが、数年で体重7~10kgと大きくなる。性質は荒く、名前の通り噛む力が強く骨も砕くことができる。
被害の拡大
ペットとして飼育されていたものが捨てられて野性化し、九州から北海道までの全国の淡水域で見つかり、大きな問題となっている。特に、千葉県佐倉市ではこの5年間に200頭も見つかり、印旛沼ではカミツキガメの産卵も確認されている
カミツキガメの生息地になってしまった千葉県印旛沼流域
千葉県下でカミツキガメが初めて見つかったのは1978年(昭和53年)佐倉市の印旛沼水系の高崎川とされていますが、その後、2008年(平成20年)にはおよそ200頭が捕獲されています。2013年(平成25年)には3倍の約600頭、2017年(平成29年)には1429頭のカミツキガメが捕獲されました。そして、2015年(平成27年)時点での千葉県下の推定生息数はおよそ16000頭(千葉県生物多様性センター)とされ、いまや、千葉県は国内最大級のカミツキガメの生息地となってしまったようです。このため、千葉県ではカミツキガメに詳しい職員を採用してカメに小型発信器をつけて、詳しい生態を調べたり、新たに改良された捕獲ワナを生息地域に大規模に配置して、生息数の大幅な低下と根絶に向けて動き出しています。
問題点
カミツキガメは、在来種のカメが餌とする水草や小魚などを食べてしまうばかりでなく、子ガメや両生類、甲殻類、貝類、水生昆虫などを大量に食べてしまうので、日本の淡水生物相の生態系に重大な影響を与える恐れがあります。 国からは特定(危険)動物の指定(※)を受けていますが、具体的な規制は自治体に委ねられています。なお、和歌山県では条例によりこのカメを飼う人は許可が必要となっています。
(※)「動物の愛護および管理に関する法律」の中の「人の生命、身体又は財産に害を加える恐れのある動物」
飼育は最後まで
ペットとしてカミツキガメを飼うのであれば、死ぬまで面倒をみることが大切です。外国産の生物を簡単に捨てることは、日本の自然環境・生活環境に大きな影響を与えることになります。日本の美しい自然とともにある在来の生物を守るためにも無責任な飼育はしないこと。
お問い合わせ
ヤマビル研究会 (代表:谷 重和)
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